「通信と放送の融合」のこれから
コンテンツ本位の時代を迎えて法制度が変わる
通信・放送法制改革待ったなし。
「ソフトパワー」で日本が世界をリードするために必要な取り組みとは?
新法「情報通信法」はデジタル化の進む日本を停滞させる悪法か?
近年、日本のアニメやマンガ、ゲームなど大量のコンテンツが海外に紹介され、「ソフトパワー」としてのポップカルチャーが急速に注目を集めている。21世紀に入ってからのそのような流れを受け、国が「知的財産立国の実現」を国家目標と定めたことから、さまざまな省庁がコンテンツ産業の振興・育成に力を入れ始めている。
ところが、現在の社会システムではコンテンツ流通のインフラとなる放送・通信・電波の権利が複雑に絡み合い、法律で守られているため、スムーズな流通につなげることはできない。このままでは知的財産立国どころか、諸外国から良質なコンテンツが発信され世界に浸透していくのを指をくわえて見るはめになる。
それを解消するために、「通信と放送の融合」を行う必要がある。それも、単にコンテンツの相互やり取りを行うだけではなく、現在のわかりにくい通信・放送の法体系を整理し再編成する大改造が必要となるのだ。
本書では、現在進行形で進む「通信と放送の融合」の状況をわかりやすく説明し、2011年地上デジタル放送網完成までの国会通過を目指す「情報通信法」の概要を紹介するとともに、日本発のコンテンツが勝ち抜くためには何が必要なのか、クリエイターを育成するには何をすべきかなど、コンテンツ産業の未来についても同時に考える。