中台激震 沸騰するナショナリズムのゆくえ
- 著 :保井俊之
- 所 属:SDM
- 出版社:中央公論新社
- 初版年月日:2005
- 形 状:A5判/320頁
- ISBN:978-4-1200-3654-5
- 定 価:2,100円(税込)
本書は、2001年9月11日の米国同時多発テロ以降の東アジアを舞台に、一触即発の危機につながる大きなリスクを秘めている台湾海峡問題について、米国、中国、台湾などのステークホルダーの行動を冷徹な視点で描いたノンフィクションです。東京からの思考を往々にして脱却できないでいる日本で出版される米中関係の書籍とは一線を画し、中国や台湾のロビーイングゲームが渦巻き、外交、軍事、金融、経済が複合的な戦略要素を織りなす世界のレバレッジポイントである米国の首都ワシントンからの描かれているのが、本書のユニークな点だといささか自負しています。
イラク・アフガニスタンでの泥沼化する情勢に足をとられ、東アジアで低下し続ける米国のプレゼンス、台頭する中国、台湾海峡や周辺海域の問題をめぐって沸騰するナショナリズム。この基本的構図は今日まさに脚光を浴びているホットイシューで、その「沸騰」を予期した本、そしてその背景を複眼的・重層的に国際システム分析の立場から平易に説いた本として、一度お手にとっていただければ幸いです。