思考脳力の作り方 仕事と人生を革新する四つの思考法
- 著 :前野隆司
- 所 属:SDM
- 出版社:角川グループパブリッシング
- 初版年月日:2010
- 形 状:新書判/168頁
- ISBN:978-4-0471-0230-9
- 定 価:760円(税込)
システム思考、システム工学、システム論の自説を展開するとともに、慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科の紹介を行った本。以下、あとがきより抜粋:
視点を変更すると、物事の見え方がドラスティックに変わる、というどんでん返しを繰り返した本書をお楽しみいただけただろうか。物事(システム)について理路整然と述べることは本質的にできない、ということを、理路整然と述べようと試みてきて、最後には、その自己矛盾も解決した、といってもいい。要素還元思考だけではだめで、システム思考が重要だ、と書いたところでは、システム思考の有効性を感じられたことだろう。しかし、それをあっさり否定し、システム思考ではポストモダン的な問題は解けないからと、ポスト・システム思考へ視点を移動させることを推奨した。なるほど、アーキテクティングやアコモデーションは重要だ、とお感じいただけたかもしれない。しかし、それも自己言及の問題を解決できないという限界があるからと、最後にシステム思想を推奨した。もはや論理だけでなく、感性も動員しないと理解できないレベルだ。このように、四つのカテゴリーを俯瞰することによって、要素のレベルから、人生観・世界観のレベルまで、時空間スケールや抽象度の異なる様々な価値がつながることの醍醐味をお楽しみいただけただろうか。